※こちらは、学習塾idomの山本が、主に登山の様子をアップするページ

勉強とは関係のないことを呟くところです

そうです、今年も始まりました!
ですが、今回はいつもと少々違った雰囲気で長文を書き連ねていきます


山に行ってきました!

2022年3月20日(日)、本年度2回目の登山、そして本年度初の日本百名山に挑戦してきました

その山の名は

両神山(りょうかみさん)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

両神山(りょうかみさん)は埼玉県秩父郡小鹿野町秩父市の境目にある山。奥秩父山塊の北部にあり、標高は1,723m。日本百名山の一つ。山岳信仰霊峰であり、両神山、三峰山武甲山をあわせて「秩父三山」という。


上落合橋から八丁峠ルートでピストン
上落合橋から八丁峠ルートでピストン

山名は、イザナギイザナミを祀っていることから両神と呼ぶという説、日本武尊の東征のおりこの山を八日間見ながら通過していったので八日見山と名づけられた説、「龍神を祭る山」が転じて両神山となったという説など、諸説ある。

古くからの信仰の山であり、表登山道とされる東面の日向大谷からの道には、数多くの石仏、石碑、丁目石が残されている。浦島からの登山道にも興味深い石仏が残されているが、今は廃道となっている。北麓の尾ノ内には龍頭神社があり、尾ノ内沢沿いに八丁尾根上の奥宮まで登拝路があるが、今では荒れていて危険である。山中、山麓の神社では、通常の狛犬の位置に山犬すなわち狼の石像が置かれている。狼を神の使いとする三峰神社の影響が窺われる。 


秩父の山々が白く染まっている! まさか・・・

 秩父に到着すると、なぜかその山々が白く染まっています。まさか雪!?

そうだとしたら、決して無理をせず撤退も大切です

ひとまず行けるところまで行ってみます

路面状況が悪すぎる!

 八丁峠登山口に向かう道は、台風19号の影響で閉鎖されている箇所があり、到着までが大変です

しかも秩父の奥地、登山者以外誰もこないような場所

かつては鉱山で栄えた秩父鉱山、二千人以上が暮らした山奥の鉱山町は今は見る影もありません
道路沿いの急峻な斜面に建造された街の施設は解体され、一部が廃墟化して残っています

 

落石も多く、千葉に雷雨が降った悪天候の日に、ここ秩父は大雪が降ったようです

朝一番で向かったのなら、ノーマルタイヤである我々は登山口に到着できずだいぶ手前で引き返したことでしょう


標高1,140mある登山口の上落合橋の駐車スペースには先客が3つ
約15台ほどの車が駐車可能ですが、
雪のため登山者も少ないようです

今回は、登山仲間である相棒と5時15分に千葉を出発し、9時30分になんとか登山口に到着しました

登山開始としてはかなり遅いので、両神山の頂きに立つことができるのでしょうか・・・

 


9時50分登山開始

八丁峠登山口
八丁峠登山口

 八丁峠コースは、行蔵峠、西岳、東岳を経由し両神山に至る八丁尾根縦走路
八丁峠から先は、急峻な岩場が多く、鎖場が続く難コース、初心者向きではありません
登山保険の加入はもちろん、非常食や防寒対策等
決して気を抜くことなく入山していきます

 登り始めは杉を中心とする針葉樹林、ひたすらつづら折りの雪道を登っていきます

幸い風はなく、晴れているため行動中は寒さを感じません

雪道
雪道
氷柱
氷柱
アイゼンを装着
軽アイゼン装着
木々に薄く積もる雪
木々に薄く積もる雪

登山開始から1時間

最初の展望台が見えてきました!
最初の展望台が見えてきました!
注意喚起
注意喚起
注意喚起
注意喚起
テーブルクロス
誰かが純白のテーブルクロスを敷いてくれていますが、お尻を冷やしたくないのでランチはもう少し我慢です
ダルマを作ってみました
ダルマを作ってみました
大将の山頂は隠れています
大将の山頂は隠れています
分岐点 ここから両神山へ一旦下っていきます
分岐点 ここから両神山に向かうには、一旦下ります
注意喚起
注意喚起
崖
足元は崖
急な斜面
急なゆきゆき斜面ゾーン

鎖場登場!!

鎖場
鎖場

さあ、いよいよ鎖場の登場です!

あえて険しいルートを選んだのはすべてこの鎖場のため

 

なまった身体を酷使するためです

安全を確保しながら慎重に登っていきます!

鎖場
ずいぶん温かそうな鎖ですね
岩場と鎖場
何度も登場する鎖場
鎖と岩壁
岩壁と対峙
いざ登らん!
いざ登らん!
両手両足のうち3つは岩や鎖につかまっていること(3点支持)が大原則!
両手両足のうち3つは岩や鎖につかまっていること(3点支持)が大原則!
足元はこんな感じ
足元はこんな感じ
手がちべたい! 手袋失敗
手がちべたい! 手袋失敗したな〜
楽しいなー
なかなか大変
たのし〜
でもたのしーな
足元
足元ツルツル
うりゃ〜
うりゃ〜
木でひと休み
木でひと休み
あと8m
あと5m!
慎重に
慎重に
標識が見えた!!
標識が見えた!!
峠まであと少し!
あと少し!

登山開始から2時間 頂上に到着です!!

登頂!
登頂!

みごと両神山山頂に到着しました!!!

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行蔵峠
行蔵峠

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あれ?

両神山に到着したかに見えましたが、残念ながらいくつかある峠の一つに登っただけ
両神山の山頂はずっと先でした
嬉しいことにまだ40、50個くらい?の鎖場が待っています😅

西側に雨雲が発生してきています。注意が必要ですね
西側に雨雲が発生しつつあります。どうするかなぁ
まだ時間はあるのでもう少し行ってみます
まだ時間と体力、食料はあるので先に進みます
まだ10mはあるかな
10mはあるかな
鎖たのし〜
やはり鎖はたのし〜!
長いなぁ
長いなぁ
足元ゆきゆき
足元ゆきゆき
鎖と岩壁に向き合う
心ウキウキ
おててじんじん
おててじんじん
ヒヤヒヤ
足元ふかふか
足元ツルツル
足元ガリガリ
3点支持は抜かりなく
3点支持は抜かりなく

幾度となく現れる鎖場、岩場を丁寧に処理していき・・・・

再び稜線へ
再び稜線へ

登山開始から2時間半、西岳到着!

西岳
一つ目の山、西岳の登頂に成功!!
東岳と両神山
奥に見えるのが東岳と両神山の山頂

目標のひとつ「西岳1,613m」の登頂に成功しました
次は、東岳

 

せっかく稼いだ標高ですが、一旦、グンと高度を下げ、そこから連続する鎖場をクリアしていく必要があります

相棒はだいぶ前から引き返すことを希望していますが、聞こえないふりをして先に進みます 😁


登る!
登る!

登山開始から3時間 祠に到着

祠 龍頭神社奥宮
祠 龍頭神社奥宮
雪シワ
雪シワ
エネルギーを補充
エネルギーを補充
下り
では一旦、下ります
上り
そして上り
ホールド
がっちりホールド
ピーク
ピークが見えてきた
楽しさ半分、迷いが半分
楽しさ半分、迷いが半分
根っこを掴む
根っこや木の枝があるとホッとします
下り
またまた下って・・・
登る!
登る!
両端が切れた尾根歩き
両端が切れた尾根歩き
落ちないように
落ちないように
慎重に
慎重に
越えていきます
越えていきます
鎖場を幾つのぼり下りしたのでしょうか
鎖場を幾つ上り下りしたのでしょうか

登山開始から4時間、東岳登頂!

東岳に到着!
東岳に到着!
テーブルクロス
ここも誰かがクロスを敷いてくれています

 ひんやりクロスの上に、持参した食料品を並べてみます

(リンゴを並べ忘れ忘れました)

 

雨雲
雨雲が発達してきました

お湯を沸かして、湯気と上空の雲をつなげると面白い写真になりそうです


時刻は14時過ぎ
ここから両神山までは夏場で1時間、標高差60mあまり
さぁここからどうしましょう・・・

A. すぐに引き返す

B. 目の前の山頂を目指す
C. お湯を沸かし、ラーメンを食べながら考える

YAMAP地図

とった行動はA
10分ほどで行動食でエネルギーを補充し、すぐに引き返します

 

・雪が残る冬山であること

・春分の日の1日前、決して日の入りが遅いわけではないこと

・復路も同じ数だけ鎖と岩場が待っていること

・下りの方が事故が多く、危険度が増すこと

・西の空が崩れていること


誰がなんと言おうとも、山頂登頂ではなくピストン

来た道を戻ります
心は赤くても、頭は常に青く冷静沈着でありたいものです
決して焦らず、少し急いで戻ります

時折り粉のような雪が舞っています
時折り粉のような雪が舞っています
急がねば!!
急がねば!!
ゴールである橋が見えてきました
ゴールである橋が見えてきました

登山開始から7時間あまり、無事戻ってきました!

17時15分、軽アイゼンを外す!
あとは車で温泉に寄って千葉に帰るだけです

ところが問題が発生しました!
何やら相方がパニックを起こしています


恐怖! 謎のウイルスが冒険隊を襲う!!


無事に下山し安堵したのも束の間、我々一向を未知のウイルスが襲う!!!

 

山本:「お疲れー!」

相方:「ない! ない! ない! どうしよう!?」

山本:「??????」

最後の最後に我々、休日冒険家を謎のウイルスが襲う!!!!

これにはいかにマスクをつけ、ソーシャルディスタンスを保とうが最強最悪のウイルスには勝てません
その名は

「山中鍵落とし!」

相方:「車のキーがない! 山で落とした!!」

山本:「!!!!!!」

まるで聞いたことのない新型のウイルスに感染したようです
ここは、ケータイの電波が届かない山奥

 

バスやタクシーはもちろん、車も通りません

行きは西武秩父駅から車で、1時間30分弱で登山口である上落合橋登山口に到着しましたが、

歩くとどのくらいかかるのでしょうか
ここはケータイの電波も届かない山奥
バスやタクシーはもちろん、車そのものが通りません

 

午前であれば登山者が運転する車が来る可能性がありますが、今は17時20分・・・

鍵は見つからなくても、山頂に近づけば時々、電波を拾うことができました

2時間ほど登山をすれば電波を拾えるかもしれません

電波が通じれば、警察に連絡できます

 

・食料と体力はまだ残っています

・モバイル充電器もあり、あと3、4回ほど充電可能

・着ているものは、

半袖ドライシャツ、半袖ドライポロシャツ、アームカバー、軽量ダウン、レインウェア

・それ以外に

上着はヒートテック長袖シャツ、綿製の長袖シャツ、超軽量ウィンドブレーカー、防寒アウター

下着はありませんが、泥除けのスパッツがあります

相方は、下着はレインウェア、上着は着替えがあるとのこと

・水はまだ残っています

・バーナーとガスが当面あるので、たくさんある雪を溶かせば飲料水にも困りません

・ヘッデン(ヘッドライト)の充電を朝してきたので、30,40時間くらいは足元を照らすことはできます

 

CL(クライムリーダー)の判断が試されます

A. ムキになって相方に怒号の言葉を浴びせる

B. 鍵を見つけるため山に戻る

C. 電波が届くところまで歩いて助けを求める
D. ひとまず笑う
さて、どうしますか・・・

後で調べたら、歩くと約9時間!
後で調べたら、歩くと約9時間!

選んだものは、A
「鍵を失くすなんてあり得ない!」と無KEYになって罵倒






ではなく
A以外の全てを試みます!!!

時間を決めて、戦意を喪失している相方を登山口で休ませ、一人山に戻り鍵の捜索です

ただし、制限時間は18時まで

いかにヘッデンがあろうとも夜の冬山は危険すぎますし、電波をキャッチできるところまで到達できたとしても

レスキューが来るまで体力が保つかはわかりません(保たないでしょう)

アイゼンをつけなくても行けるところまで探し、あってもなくても真っ暗になる前に下山します

八丁峠までの行程の3、4割くらいまで行ったところで引き返しました

やはり見つかりません

鎖がある岩場で引っ掛けたのでしょう

だってこれですから 😅 

 

これを注意できなかった(気が付かなかった)時点でリーダー失格ですね
これを注意できなかった(気が付かなかった)時点でリーダー失格ですね

登山口まで戻ったのが18時10分ほど

当然、電波は届きません

 

どんどん谷は暗くなり、寒さが増してきます
食料、そして何より水がたくさんあるので、元気づけます

死にはしない!

体力もあるので最悪、夜通し歩けば駅に到着するでしょう

「風がないので舗装された道を8、9時間歩くことは可能だよね!」

「世界仰天ニュースに応募したら採用されるかな?」

思いつくまま寡黙になっている友に声をかけます

カップ麺、食べなくてよかった〜!

 

途中、寒さの余り尿気を催しました

街ではもちろん、山でもふだんは絶対しませんが
体内に結石という時限爆弾を抱えており、我慢が壊滅的な惨事を招く可能性があるため

今回だけは山の神に懺悔し、排出します

(本当に申し訳ございませんでした!)

40分くらい歩いたところでしょうか

川沿いに明かりの灯った小さな建物を発見!!

「すみませーん! 誰かいらっしゃいますかー?」

 

虚しくも聞こえるのは、キーンと鹿が叫ぶ声と川の音だけ

歩いていた場所に戻ります

 

私は星空撮影が趣味なこともあり、暗さには比較的慣れています

とはいえ、
ナイスな廃屋を見ながら

ナイトハイクを続けることは、一人だったら放出したはずの尿気を催すには十分です・・・

 

90分ほど歩いた頃でしょうか

行きで一瞬、目に留まった石碑が見えました
鉱山で亡くなった方や登山で亡くなった方々への慰霊碑だと思います

 

「放尿により、神聖な山を汚してしまったことを心から謝ります。申し訳ございませんでした。」

「こんな私たちですが、どうか最後まで道中を見届けください。」

心を込めて懺悔しました

再び歩き続けます

そして、1分ほどたったでしょうか

なんと車の明かりと思われる光が前方から見えてくるではありませんか!

なぜこんな時間にこんな場所へ?
車に足が生えていること(いないこと?)を目視したのち
恥を恐れず、助けを求めるべく大声で車を呼び止めます

幸いにも止まっていただけました!

 

事情を説明したところ、親切にも私たちを車に乗せてくれるそうです
温かい血が通った生身の人間でした

電波の届くところまでと思いましたが、駅まで送っていただけるとのこと

なんということでしょうか!

 

人の温かさに感動です

慰霊碑のおかげかもしれません、というより、何か不思議な力がはたらいたとしか思えません

お祈りをして、わずか1分足らずでこんな場所に車が来るとは奇跡です!!

 

助けていただいたのは、ドライバーの男性と助手席の女性の計2名

なんでも女性が人里離れたところに行くのが好きで、たまたま遠出してきたとのこと

地元の方でもありませんでした

 

てっきり登山口に前泊し、朝一番で両神山山頂に向かう登山者かと思いましたが、
登山は全くやったことのないそうです


親切なカップルに西武秩父駅まで送っていただいたため、なんと20日中に電車で千葉に戻ることができます!

相方は、事情を家族に説明し明日の予定を組み、
私は駅の交番で説明です

誰もいない車が放置されている状況を、警察官の方々に伝えておくべきだと判断しました
登山BOXに千葉から来ている届を入れてあるため、遭難と思われないようにすべきです

これ以上、余計なご心配をかけてはなりません

 

滅多に入らない交番ですが、当番の警官3名が睨むように私をじっと見つめてきます😅

事情を読み込んでいただいた後、笑顔で紛失届を提出することを勧められました(怖かった〜)

期待ができる翌日以降、山に入る登山者が見つけて届けてくれるかもしれません

 

私は翌日も仕事があるので電車で帰宅しますが、相方はなんとも羨ましい4連休

どうやら一緒に千葉に戻るとのこと

そして、スペアキーを持参し、翌日相方と奥さん2人で電車で西武秩父駅へ

その後、レンタカーを借りて停めてある車を救出

救出後は、2台に分乗し西武秩父駅へ、駅でレンタカーを返したら1台で千葉まで戻る作戦です😅😅

私は、レンタカー代+心の治療代?を負担しました

少しは相方のショックが減ることでしょう😁

 

21日18時41分

相方から写真が送られてきました

お願いしていた慰霊碑へのお祈りをしてくれたそうです
だいぶ雪がとけています
21日の22時45分、車内に置いていた荷物と秩父のお土産を持って相方がきました 😁

雪がなくなったころに改めて慰霊碑に御礼と、失くしたカギの捜索をしにいきたいと思います

また、何より駅まで送り届けていただいたお二人にも、御礼をしなければなりません

 

なんと女性の方が登山に興味を持ったそうで、山に案内してほしいとのこと

春になったら関東の低い山にお二人を案内したいと思います
相方は別途、お礼をするそうです

 

今回は、一歩間違えれば大惨事になりかねないこと

学習塾idomにお通いいただいている方々へ、ご迷惑をお掛けする可能性があったと思います
申し訳ございませんでした

 

私に関係のある方に公開することで、形を変えてどこかでこの経験がお役に立つこともあると判断し、

この長文の報告を書き連ねます

靴紐、ザックの締め忘れ、飲料水、食料、レインウェア、アイゼンが正しくついているか、ストックの使い方など

常に前後の人の安全は自分のことのように気を配っています
大事なものを外につけていないかもお互いチェックすべきです

そもそも登山には危険がつきもの

それなのになんでやるのか!と思われる方もいらっしゃるかもしれません

申し訳ございません
安全には十分気をつけて、念入りに計画を立て、慎重に行動し

想定できるあらゆる対策をしながら、今後も続けてまいります
(厳冬期の山には登山はもちろん、決して入山しません)


最後までご覧いただきありがとうございました
今後もどうぞよろしくお願いいたします

 

学習塾 挑 山本 修


日帰り登山シリーズはこちらから

2021年10月24日 大菩薩嶺