丸付けのタイミング

 定期テストに向けて中学生が黙々と勉強を続けています。ふだんからあまり勉強をする習慣がない場合、ここでしっかりと遅れを取り戻したいですね。

さて、学校のワークに代表される問題集ですが、実施後自分で丸をつける必要があります。

どのタイミングで丸をつけるのが最も効果的なのでしょうか。


大問が終わるごとに

 集中力のある生徒や、解いた内容を覚えていられる力のある生徒、入試の直前演習をしている生徒を除く多くの生徒は、大問を解き終わるごとに丸付けをすることをお勧めします。理由は大きく3つあります。

・間違ったまま解き進めてしまうのを防ぐため

・解いた内容が鮮明に記憶されているうちに復習するため

・見直す量を抑え、負担感を減らすため

せっかく解いても、間違ったことを覚えてしまったら逆効果です。

ワークでは、同じ単元の中で似たような問題が繰り返し出てきます。例えば、英語。記憶があいまいな単語や熟語、文法をそのまま使い続けるのはあまりに非効率です。社会も基本知識がないまま、記述問題をやっても空欄で終わってしまうことが多々あります。基礎知識がなければ解き進めず、解答解説で知識を補ってから問題を解くべきです。数学や理科の公式が頭に入っていないのに、わからぬまま進めても時間の無駄で終わります。国語もすべての問題を解いたあとに丸付けをすると、自分が何を書いたか忘れがちです。文章内容を忘れた状態で解説を読んだ場合、解説内容が理解できない可能性があります。

丸をつける量が増えると解説に目を通すのも億劫になってきます。最悪の場合、明日やればいいや、そして明日になると明後日にやればいいか・・・、挙句の果てに丸付けをせず解きっぱなしで終わってしまいます。やりっぱなしでは一向にできるようにはなりません。

コツコツ丸つけ

できるようになるためには、同じ過ちを繰り返さないことが重要です。そのためには、間違えた訳を自分自身が把握する必要があります。こまめにに解答をみて丸付けをすれば、正しい内容を理解し、定着させる時間も増えていきます。見直す量が少ないうちに丸付けをして、分からないところや記憶があいまいなところの解説をしっかり読んでおくことが重要です。

基礎力が身につくまでは、負担感のない量を解いてすぐに丸つけをしてみましょう。そして、細かく理解度を確認していくことが重要です。問題→解答→問題→解答→問題・・・と何度も行き来するので手間がかかりますが、そこは急がば回れ。慌てず今は基礎力がつくまで丸つけまでのサイクルを小さくし、完璧と言える量を増やすことに専念しましょう。

間違いを訂正し、それが次の問題で修正できているかをチェックする作業を続けていく。繰り返し間違えている場合、何か原因があるはずです。根本的に理解できていない場合は、第三者から解説を訊く必要があるのかもしれません。新たな解説に触れることで、それが自分の身になったか再度チェックしてみましょう。解説を訊いて分かった気になっているだけではダメです。自力でその問題が解けるようになったか試すことが重要です。


こうした小さな積み重ねがやがて大きな実へとつながります。そして全体的にできるようになって初めて、問題を一挙に解くメリットの方が大きくなります。


小6、中3、高3の受験が迫った時期からはきちんと時間を計って、制限時間内でどう解いていくか問題全体を見回して作戦を練ると良いでしょう。受験期の過去問演習については次回以降のブログでご説明いたします。