かつては「トンプクを飲めば風邪が治る」と言われていました。では、学習において、勉強ができるようになる「トンプク」のような薬は存在するのでしょうか。残念ながら、効率よく短時間に頭に知識が入るような特効薬的な勉強法はありません。勉強が苦手な生徒の多くは、出来ないところ、分からないところがどこなのか分かりません。自分で頭を使って悩んでいない場合が多く、すべてがなんとなくに終わっています。いつまでも人から習うだけの受け身の状態では、何をやっても身につきません。
ここでは同じミスを繰り返さないためにも、勉強の3つの心得をご紹介いたします。
1.まずは真似る
勉強が苦手な子に多いのが、「模倣が苦手」ということです。一番初めは、まずは授業や教科書、参考書、先生が黒板に書いたことの模倣から始めてください。黒板に書かれたことを書く習慣がない場合、分からないものに絞ってノートに写してください。
とにかく真似ること。そしてそれを理解し、覚えようと試みること。同じ問題で構わないので、完璧になるまでトコトン解くこと。解説に書かれていることを真似ることから始めることが重要です。
安易な方法をすぐに求めるのではなく、とにかく同じことが再現できるかを繰り返し確かめること、これが学習段階初期の「学ぶ」=「真似ぶ」です。
2.自分で考える
完璧に定着させるためには「理解すること」「まとめること」が必須です。力業で何も考えずにやっても、それは単に「やっただけ」で身になりません。「ワークをやったのに点数が全く伸びない」といった具合の多くは、これに該当します。
あくまで「定着させること」「完全暗記(長期記憶化)」が重要です。真似る精度を高めるためにどうしたらいいかを考えることが大切です。
どこまで理解できて、どこからが理解できないのかを自分自身が把握することが重要です。自分の間違えやすい問題を知ることが鍵となります。勉強は、積み重ねによって成り立ち、努力によって大きな花を開かせます。
3.質問する
頭をほとんど使わずに、教科書を読んでもなんら効果がありません。問題集を解いても、単に写しているだけではやっていないのと変わりません。その状態で質問し、解説を聴いてもおそらく定着することはないでしょう。
「どうしたら解けるようになるか」「どうやったら覚えられるか、忘れないか」を常に意識し、考えることが重要です。その際、理系科目を中心として自分の力ではどうしようもない問題に遭遇します。
そこで初めて質問するのです。「何行目までは理解できたが、それ以降がわからない」「立式はできるけど、解が出せない」「そもそも立式ができない」「なぜこの訳になるのか」といった具合に、できないところを明確にしていきます。
最悪なのが、それらがないまま質問すること。そうなると、教える側は分からないところを解説するというより、一方的に解いて説明していくこととなります。それでもまだ、対話が成立し、分からなくなった時点で、質問してくれれば幸いですが、たいていはなんとなくズルズルいって終わります。
解説を聞いてなんとなく分かった気になっても、自分ひとりでその問題がとけるようにならなければ他に応用できないで終わります。
以上3つがうまく循環していけば、間違いなく成績は向上していくでしょう。そしてこれらを行動に移させるためには、「自主性」「知的欲求」が必須です。たとえ将来の夢が漠然としていても、小さな目標を掲げて前向きに努力していく、これが勉強ができるようになる近道なのかもしれませんね。