英単語シリーズの第2弾。
前回は、ある長文を例に「英単語の正確な把握」が正解を導くことをお伝えいたしました。知識・理解量が深ければ、それだけ志望校の選択肢も広がります。
今はまだ6月。難関校にチャレンジできる土台をしっかり培いましょう!
さて、指導要領が小中高すべてでスタートし、数年が経過しました。
今回は、「ゆとり教育」からの脱却として、国(文科省)が示した方針のうち、
英語に関することを簡単にご説明したします。
また、近年のお子様方がどのような内容の勉強をしているか、そして今後していくべきかを述べたいと思います。
1.外国語(英語)の指導要領
旧要領から変更になった点は以下の通りです。
○小学校に外国語活動を導入、聞くこと、話すことを中心に指導(小5・6)
○中学校では聞く・話す・読む・書く技能を総合的に充実
(語数を増加〔900語程度まで→1200語程度〕、教材の題材を充実)
○高等学校で指導する標準的な単語数を1,300語から1,800語に増加
○授業は英語で指導することを基本(中学校、高等学校合わせて2,200語から3,000語に増加)
→従来存在していた『詳細な事項は扱わないなどの規定(はどめ規定)』がなくなり、教える側の方針によって、どこまでも難度の高いことを指導できるようになりました。
2.学校で習う英単語
公立中学校で使用する教科書に載っている単語は、量と質のいずれも以前と比べ、格段にアップしました。一部を以下に抜粋すると、
中1:lantern,thirsty,husband,traditional,turkey,volunteer,blind,conditioner,cheeseburger等
中2:explain,referee,gesture,opposite,nod,itchy,compartment,purpose,bagpipe,stroller等
中3:research,shrine,carpenter,unicycle,crane,firework,timing,develop,laboratory等
<八千代市が採用している教科書(TOTAL ENGLISH)に載っている単語の例>
が挙げられます。
千葉県立高校の前期試験で出題され、正答率が低かった(書ける生徒が少なかった)
receive(2015年度)、support(2014年度)、explain(2013年度)なども全て中学校の教科書に載っている単語です。
このように、中学で学ぶ英単語も大きく変わりました。
3.今後に向けた英単語の勉強法
★ まずは土台となる単語をたくさん覚えることからはじめましょう。
中1生は教科書に載っている単語を確実に覚えていく。一問一答形式でかまいません。
単語カードを作成し、フラッシュペーパー式に覚えるのも有効でしょう。
紙に書くのもよし、空中に書いてみるのもよし。発音と綴りの関係がある程度つかめるまでは、声に出して、ひたすら書いて覚えることが大切です。
★ ある程度勉強を進めていくと、一問一答形式ではうまくいかない単語がでてきます。
~例~
① ”have"
中1のはじめは「~を持っている」だけ知っていればいいのですが、一ヵ月も経てば「(親兄弟など)がいる」「(ペットなど)を飼っている」「(食べ物など)を食べる」「(飲み物など)を飲む」、そして中3になると「現在完了のhave」が出てきます。
② ”stand”
中1で自動詞の「(人が)立ち上がる」「(ものが)立っている」、中3で "stand for~”「~の略である」を教科書で知り、また、他動詞で「我慢する」という意味も出てきます。
③ その他にも、point「点、指し示す」、letter「手紙、文字」、touch「~に触れる、(人)を感動させる」call、takeなどたくさんあります。
中1で目にするシンプルな単語であっても、上級生になると、他の意味があることを知ることでしょう。せっかくたくさんの意味を覚えても、
「どんなときに、どういう意味になるか」
訳を使い分けられなければ、定期テストはともかく、入試では得点できません。
単語カードの限られたスペースに全てを記入するわけにもいかず、作ったとしても、容易に意味を確認できるメリットがなくなってしまいます。カードを作成するだけで満足し、学習効率が極端に悪くなる可能性大です。
中学校で1200語程度、高等学校で1,800語(合わせて3,000語に増加)。私立高校に合格するためには1,500~2,000語弱は必要でしょう。中学で覚えた英単語数が少ない場合、難関大学に現役で合格することが難しくなるのは言うまでもありません。
中1、中2のときは、自ら単語の意味を調べなくとも誰かしら教えてくれる人がいたかもしれませんが、「人から習うだけ(待ちの姿勢)の勉強」は、やがて限界が生じます。
★ そこで、辞書を引く重要性が生じてきます。
ここから先は大学入試を見据え、『英和辞書を引くこと』についてご説明いたします。
覚えている単語数、背景知識が圧倒的に少ない中1生は、教科書の巻末ページを利用して調べるだけでも構いませんが、基礎単語力が身につき、さらに英語力を伸ばしたい!と感じ始めたら、ぜひ辞書を使って分からない単語の意味を調べてみましょう!
以下に調べ方と印象付けのコツをほんの少しご紹介いたします。
◆品詞の吟味
①「名詞」それとも「動詞」?
(例文1) She should husband her small savings.
「夫」という名詞でよく知られる”husband”。上記の例文ははたして名詞でよいのでしょうか?
品詞の見当をつけましょう。
”She should”(主格+助動詞)のあとにくること、さらには後ろに続くsavings はher small がついているから名詞の複数形であること、以上のことからhusband は、
名詞「夫」ではなく、「動詞」だと推測しました。
さぁ、ここで辞書をひきましょう。
すると、
「(時間・金・資源・力などを)節約する、大切に使う」
という意味がみつかります。
全体の意味は「彼女は自分の少ない貯金を大切に使うべきだ。」だとわかりました。以上を踏まえて、次の文を訳してみましょう。
問題1 They'll book the room to read the book next Sunday.
②「名詞」それとも「形容詞」?
(例文2)Put your money in the safe.
「安全な」という意味の形容詞としてよく使われるsafe。ただし、これではこの文はうまく意味が取れません。今回は、形容詞ではないような・・・。辞書をひく前に、品詞を推測しましょう。
「前置詞in+定冠詞the」のあとにつづくこのsafeは、おそらく名詞では??
では、辞書を使って調べてみます。
safe /seif / -形 (safer, safest)①(人・物が)安全な//My money is safe in the bank.お金は銀行に預けてあるので安全です。 ②無事な//She came home safe.彼女は無事に帰宅した。
③(場所・行為が)安全な、危険ではない//Keep your money in a safe place.お金は安全な場所に保管しておきなさい。④(・・・)
-名(複~s)①金庫//Please leave your money in the safe.お金は金庫に入れておいてください。②貯蔵庫//・・・・
(見出語safeの例)
すると、名詞の①「金庫」がぴったりです。
よって、この文は「お金を金庫にしまいなさい。」だとわかりました。さて、さきほどと同じように、以下の文を訳してみましょう!
問題2 Though the sound was very big, she felt sound asleep yesterday, so she is in sound health now.
◆品詞では判断できない場合
・品詞以外の文法で判断し、単語の意味を考える。
・文脈で判断し、単語の意味を考える。
・慣用表現として使われている可能性を疑う。
(例文3)He turned the cold shoulder to me.
定冠詞the+形容詞coldにつづくshoulderはおそらく名詞。ただし、この文を「彼は私に冷たい肩を回した??」と訳しても意味が分かりません。辞書を活用しましょう。記憶に残りやすくするためには、闇雲に調べるのではなく、事前に知りたい単語がどんな語と結びついているかを確認しておくことが重要です。
shoulderだけではなく、the cold shoulderが含まれる例文がないか、さらには動詞turn と結びついてturn the cold shoulder to Oとなっている例文がないかを探すといいでしょう。
shoulder /
-名([複]~s/-z/)①肩// My coat is torn at the shoulder.上着の肩が破れた。②(責任・重荷を負う)双肩/He took the whole plan on her shoulders.彼は計画すべての責任を負った・③(・・・)
a shoulder to cry on 悩みを聞いてくれる人
cry on O's shoulder <人>に同情(慰め)を求める。
get the cold shoulder (from O) <人に>よそよそしく(冷たく)扱われる。
give O the shoulder = turn the shoulder to O
turn(show) the cold shoulder to O = turn a cold shoulder on O <人>によそよそしい態度をとる、口をきかない。
(見出語shoulderの例)
すると、shoulderの例文ではなく、まとめられた成句の中に、turn the cold shoulder to Oがみつかりました。そして、give A the cold shoulderで言いかえができることもわかります。
よって例題3の文は「彼は私によそよそしく接した。」だとわかります。
また、異なる動詞getを用いて、get the cold shoulder (from A)という表現もあり、こちらは「よそよそしく扱われる」ことだとわかります。ここから、
A turns the cold shoulder to(on) B
= A gives B the cold shoulder = B gets the cold shoulder from A
という関係も見えてきます。
最後に今まで同様、次の英文を訳してみましょう!
問題3 Keep your nose out of my affairs.
『急がば回れ!』
このように、ひとつの単語から意味を類推し、知らなかったものを分類していくと、いつのまにかたくさんの単語やイディオムを覚えることができます。一見時間は掛かりますが、手間をかける分記憶に残ります。電子辞書やネット検索でもかまいませんが、なるべく労を惜しまず、勉強に励むことが大切です。とはいえ、時間は有限。
『人から習うものと、自分で調べるものを上手に併用。無理に一挙に覚えようとするのではなく、毎日100語に触れるつもりでたくさんの英単語に目を通し、こまめにアウトプット。』
何事もバランスと継続が重要です。
<最後に>
上記に挙げたのは、「読む」「書く」についての単語力です。TOEICに代表されるような英語試験のペーパー試験対策に有効です。
今後の英語ブログは、今後求められる英語力について、確認いたします。
※問題1~3の訳はこちらをクリック⇒☆
<英単語学習法① ひとつの単語の理解が長文問題の正解を導く!はこちらをクリック!>
<覆面算①の正解>
問題はこちらをクリック!
1B
B1
+ B
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11B
(Ⅰ)百の位について
最初にAについて。
『百の位』にAがあるが、2数字の和の繰り上がりなので、Aは1であると分かる。
(Ⅱ)十の位について
Bに1を足したものに繰り上がりの数を加えると、1桁目が1の数字になっている。しかし、Aが1であるため、一の位からの繰り上がりは1しかあり得ない。よって、Bに2を足したものが、一桁目が1の数字になる。これより、Bは9しかありえない。
よって、a=1、b=9
19
91
+ 9
___
119